らの

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らのさんの日記

(Web全体に公開)

2013年
06月24日
15:52

村上春樹1Q84と自分の病気

私は、村上春樹の本は読まない。正確には、今までに何度か読もうとしてページを開いたけど、2、3ページで読む気を失ってしまい読めなかったというのが正しい。

読めないということは、村上春樹と私は縁がない。私のような者は、寄せつけないように書かれているんだろうと思ってきた。ちょっと大袈裟な物言いだとは思うけど。

大分前に、村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』が100万部売れているというニュースがたくさん流れていたころ、フジテレビのある番組の生放送中に男性アナウンサーが女性アナウンサーに「○○さんは、1Q84を読んだんだよねー。」と聞いた。

そしたらその女子アナウンサーが「読んだんですけど、1巻しか読んでないんですー。」と答えた。

私はこれを聞いて変だと思った。1巻の途中まで読んでつまらないから止めたなら、まあ、人それぞれ趣味も違うからありえると思う。でも1巻は読んだと答えた。

「時間が出来たら2巻も読みますー。」というなら分かるけど、ニュアンス的に続きは読みませんという感じだった。もちろん1巻しか読んでないのだから本の感想など言える立場でもない。

私は、この女子アナウンサーが1巻で読むのを止めた理由をむしょうに知りたくなった。それで、その日のうちに図書館で『1Q84』Book1を予約した。

今回は、Book1を最後まで読めた。(前に図書館で予約した時はbook2が先に来てしまったので読めなかった)実に面白かった。こんなに面白いとは思わなかった。Book2も必ず読む。Book1を読んでBook2を読まないというのはありえない。

Book1を読んでBook2を読まないでいられるのなら、そもそも小説がそんなに好きなのではなくて、他の流行作家の本も読めないのではないかと思う。

職業がアナウンサーなので読まなければならない専門書が多くて、娯楽小説に時間を割くことができない事情があるのかもしれないけど、それでも変だなと思った。


私は、今回初めて村上春樹の小説に、生々しいSEXシーンがあることを知った。若い女性たちが「村上春樹の小説が好き!」と普通に公言するからそういうシーンは無いものだと思っていた。

長女や中学生の娘に「1Q84って面白いの?」ていわれたら「あまり面白くないよー」と答えるつもりでいる。面白い小説だけど、恥ずかしくて積極的に人に薦められる本ではない。

もしかしたら、女子アナウンサーもあまりにも生々しいSEXシーンがあるので『1巻しか読んでないんです。』と答えたのではないか、全部読んだと答えたら感想を聞かれてしまうので、それを避けたかったのではないかと思った。

もしもそうであれば、私は合点がいく。


さて、ずっと読めなかった村上春樹の小説が読めるようになったことは、自分にとって大きな収穫です。そして大きな変化です。

今まで、『村上春樹が好き!』と言う人は、自分とは違う世界に生きている人などという幻想に縛られていたわけで、それが無くなったのだから。



関節リウマチを寛解させるために、いろんな生活習慣を故意に変えてきた。そして、薬を減薬し、今ではリウマチ薬無しで生活できている。

関節リウマチに詳しい人なら分かると思うけれど、これは奇跡なわけです。

確実に病気を発症した時の私の細胞と今の私の細胞は違う。

村上春樹を読めなかった人間が読めるようになったのですから。

いつも右に行きたいと思っているなら、今日は左に行ってみる。いつもAを選択したいと思っているならBを選択してみる。

病気を発症した時の自分の細胞を自ら変えることを試みる。

「らどは嫌い!」と思っているなら、ちょっとだけ信じてみる。ちっちゃなことだけど、必ず細胞は変化する。病気は良くなる。

私は、そう信じて今日も頑張って生きる。

コメント

2013年
07月06日
17:21

1: -

はじめまして、らら子と申します。私は30歳くらいまでは村上春樹、読めてました。気がつけば、1行読んで読む気が失せる状態に今もたぶんなってます。もしや自己分析ですが、症状が良くなってから読むことが難しくなった気も。村上春樹の小説は精神世界を取り扱ってると思うのですが、回復すると精神的な世界に興味がなくなるのでしょうか。関節リウマチ、うちの妹が20歳で発病して38歳の今も投薬治療を受けています。薬を飲まないで自ら回復する、てすごい!頑張って生きると日記にありますが、本当にすごいとびっくりしました。おもしろいおもしろいといくら聞いても村上春樹は読まないですね。損してる気はするのですが。
とっても日記、興味深く拝見させていただきました。

2013年
07月08日
13:29

2: らの

らら子さん はじめまして。コメントありがとうございます。

結局、Book2、Book3と全部読むことが出来ました。

私も、本当は20代の時に読めてれば良かったと思うのですけど、そのころは、破壊シーンのあるアクションものばかり読んだり観たりしていました。
最近は、関節リウマチで関節を悪くしてしまったからだと思うけど、暴力シーンの多い映画や読み物は自然に避けてるようです。

きっと私も、村上春樹の小説を読まなくなるときが来ると思うので今のうちに他の作品も読もうかなと思っています。

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